『事実はなぜ人の意見を変えられないのか』まとめ

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ピーコ
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正論を言っているのに、全然納得しない人っているよね

エリック
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そういう人ってどうすれば説得できるんだろう

えみまる
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そうは言うけど、一部の頑固な人だけでなく、人間はけっこう感情で動いているものよ

『事実はなぜ人の意見を変えられないのか』はこんな本です

人はいかにして他者に影響を与え、他者から影響を受けているのか?

教室や会議室といったリアルな場所からネット上のSNSまで、私たちはみな、毎日何かしらのかたちで他者に影響を与え、また受けながら生活をしています。

しかし、私たちはその重要な行為についてどれだけ自覚的なのでしょうか?

もっと上手に他人の意見を変えることはできないのでしょうか?

本書では、「客観的な事実や数字は他人の考えを変える武器にはならない」など、認知神経科学が近年発見した数々の驚くべき研究結果を示し、他人の説得しようとするときに私たちが陥りがちな罠と、それを避ける方法を紹介します。

イギリス名門大学教授が教えるとっておきの「説得の技法」、ぜひご一読ください!

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えみまる
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「話せばわかる」…が実は間違いだということがわかる本です。

著者:ターリ・シャーロット(Tali Sharot)
ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン教授(認知神経科学)、同大学「アフェクティブ・ブレイン・ラボ」所長。神経科学者になる前は金融業界で数年間働き、イスラエル空軍で兵役も務めた。主な著作に『脳は楽観的に考える』(柏書房)がある。(Amazonより

ピーコ
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2018年にイギリス心理学会賞受賞作を受賞しているね!

こんな人におすすめ

・意見が合わない人にイライラしてしまう人
・交渉力を上げたい人
・人が何に影響を受けて行動しているか原理を学びたい人

本の帯にはこのようにあります。

「銃規制などの議論を呼ぶ話題では、明らかな事実を提示することは、かえって逆効果になるという。本書が指摘するとおり、頭脳が優れている人ほど、自説に合わない情報を自分の都合よく解釈してしまうからだ」(ニューヨーク・タイムス)

本書帯より

情報を、自分のいいように解釈する人間の心理について書かれていますね。

「他人を説得するための優れた方法だと思っていたものは、いまや間違いであることが明らかになった。その誤りを正し、役に立つ助言を詰め込んだ本書は、あなたの人生すら変えてくれるかもしれない」(キャス・サンスティーン『実践 行動経済学』著者)

本書帯より

相手を説得しようとするほどうまくいかない、ということですね。

なぜ事実が人の意見を変えられないのか

①いくらデータがあっても、自分の都合の良い情報しか入ってこない

エリック
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自分の意見を否定するような情報を提示されると、まったく新しい反論を思い付き、さらに頑なになることがあります。
これを「ブーメラン効果」と言います。

②自分の都合の良い情報が検索結果に出てくる

同じキーワードで検索しても、あなたの過去の検索やウェブ履歴に基づいてカスタマイズされた検索結果が出てきます。

これは、SNSでも同じで、似たような属性の人たちが集まってくるようになっていますし、YouTubeでも関連動画が出てきます。

これにより自分に都合の良い情報だけが目に入るようになり、より自分の意見に自信を持つようになります。

ピーコ
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気づかないうちに情報が偏っていくよね。
よく考えると恐ろしいことです。

③分析能力の高さが仇となっている

本書には「銃規制が犯罪を減少させるか」という問いに、分析能力の高い人ほど正確に答えられなかった実験が紹介されています。

その理由は、多くの参加者が銃規制に対して熱い思いを持っており、その熱意が推理能力を損ねていること。

そしてもう一つの理由は、情報を合理化して都合の良いように解釈する能力も高くなり、ひいては自分の意見に合わせて巧みにデータを歪めてしまうからなのです。

えみまる
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一度定まってしまった新年を変えるのは、容易ではないね。

どうすれば人の意見を変えられるのか

①感情を動かす

相手に自分の意見を聞いてもらう時に、データや反対意見を伝えると、かえって態度が硬くなりなります。

なので、

・相違点ではなく共通点にフォーカスする
・データではなく相手の感情にフォーカスする

これが大切だと言います。

ピーコ
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本書には、「感動的な名演説」や「オリンピックでの一体感」、「母親のストレスがその赤ちゃんに伝播する」などのエピソードを通して紹介されているよ。

特に感情は良くも悪くも伝染するので、上手に利用することが大切です。

②インセンティブを与える

「アメ」と「ムチ」の話です。

「快楽」と「苦痛」と言い換えてもいいと思います。

「快楽」:物理的な報酬、愛情、感謝、賞賛、希望などのポジティブな感情
「苦痛」:恥、病気、いじめ、孤独、喪失に対する恐怖などネガティブな感情

この快楽と苦痛を上手く使うと他者の行動に影響を与えられるというものです。

エリック
エリック

「駆け込み乗車はご遠慮ください」「感染防止のために手洗いを」といったメッセージより、もっと効果的なメッセージがありそうです(汗)

③権限を与える

自分ではコントロールできない環境におかれると、人は恐怖・ストレスを感じます。

この「コントロールすること」と「影響を与えること」は密接に関係していると言います。

他者に影響を与えるためには、この「他者をコントロールしたい(説得したい、動かしたい)」という衝動を抑えなければなりません。

そして、相手に権限を与え「主体性を持ちたい」という相手の要求を理解する必要があります。

ピーコ
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主体性が制限されていると感じると、不安を感じたり、抵抗したり、やる気がなくなるよね。生産性も落ちちゃうね。

えみまる
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自分の意志で募金・寄付するのは気持ちがいいのに、税金のように強制的にお金を払うのは嫌ですもんね。それは選択肢がない(コントロールできない)からでもあります。

エリック
エリック

そういえば、ふるさと納税の使い方を納税者が選べる自治体が多いよね。
なんか寄付した!って感じで気分がいいです。

相手に「自分で選んだ」「自分で獲得した」といった感情を持ってもらうために、相手に選択肢を与えましょう。

④好奇心をくすぐる

これは「正解はCMの後で!」の原理です。

たとえば、離陸前の機内安全ビデオ。

あれは、緊急時に自分の命を守るための重要な情報が流れていますが、あの内容を真剣に聞いている人はどれだけいるでしょうか?

それは、内容が「面白くない」「続きが気にならない」「癒されない」、つまり「好奇心がくすぐられない」からです。

エリック
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たとえば、美女が踊ったり、もふもふ動物たちが出てきたり、漫才で説明があったら、たくさんの人が見るかもしれません。

⑤ストレスを利用する

誰かに影響を与えたいとき、ストレスも作用します。

本書では、ストレスが人を動かした例として以下のことが挙げられています。

・同時多発テロ後のマンハッタンで理由なく駆け出した人につられて、大勢の人が全力疾走し始めた

・イスラエル政府が化学兵器を使用したとの情報が流れたパレスチナ自治区で、次々と呼吸困難者が現れた

・緊急呼び出しが多い日の消防士は、「悪い知らせ」に影響されやすくなる

・負け始めたスポーツチームほど、リスクを取りたがらなくなる

ピーコ
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ストレスや恐れを抱えていると、悪い情報をより悪く捉えたり、もっと良い方法があるのに安全策を取ろうとするよ。

えみまる
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このストレスの影響を知っておくと、それを克服して状況を違った角度から見直すことができるね。

⑥他人を利用する

「他人を利用する」のわかりやすいのが、ネットのレビューです。

Amazonや楽天で買い物をするとき、口コミや★の数を見ませんか?

「これは買いだな」「これはやめておこう」と参考にしている人も多いと思います。

ピーコ
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出会い系サイトの中には、次の女性の参考になるように、女性が昨夜デートした男性を評価できるものさえあるらしいよ(怖)

誰かの判断に追従する場合、それが自分には不適切であるかもしれないことを心に留め、慎重になる必要があります。

本書には、被験者にある映画のシーンを見せる実験が紹介されています。

映画を見せ終わった後に、「犯人は何色の服を着ていたか?」と被験者に質問します。

正解は「白」で、被験者も「白」と頭の中では思っていても、他の参加者が「赤」と答えている誤回答を見せた後では、その影響を受け「赤」と答える確率が70%の割合になりました。

いかに他者の影響を受けてしまうか、ということです。

しかも、被験者は他の人の意見に影響は受けていないと本当に思っているのです。

以下に我が道を行くことが難しいかわかります。

まとめ

日々私たちは無意識のうちに無数の選択を行っています。

しかし、自分の意志で決めたと思っていることでも、実は他者(あるいは何か)によって影響されていることの方が多いのかもしれません。

本書のタイトルにもあるように「事実では人は変えられない」ということは、「事実でないもので人を変えることができる」ということでもあります。

えみまる
えみまる

「他者への影響」…それは興味深くもあり、なんだか恐ろしい気もします。

著者のターリ・シャーロットは、心理学と脳科学が交わる領域、認知神経科学を専門としています。

彼女の講演はTEDトークで見ることができます。

The optimism bias | Tali Sharot

ターリ・シャーロット: 楽観主義バイアス

彼女のトークは大きな注目を集めました。

そして、そんな人気者の著者が楽観主義のテーマの次に選んだのが、この「影響力」でした。

「私たちがついスマホを見てしまうのはなぜか?」

「大きな集団ほどイノベーションに乏しくなる理由は?」

「アマゾンレビューはどこまで信用できるか?」

「同じ問題でも時間をあけて見直すと正答率が上がるのはどうしてか?」

など、これらの疑問については、本書を読めばわかってきます。

ご興味のある方は、ぜひ一読なさってみてください。

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